「何をしても痩せられない」「私は痩せにくい体質」「厳しいダイエットをしたけど痩せられなかった」「体重を減らせたがリバウンドした」
「どうしても痩せられない」
こういう声を多く聞くが、話を聞いていると知識が偏っており非効率的で失敗する確率の高いダイエット方法をしていることが多い。
トレーナーの視点からよくある失敗例をみていく。
糖質制限で痩せた気になる
糖質制限は主食であるご飯やパン類麺類を制限するダイエット方法。
糖質は1gあたり3gの水分を蓄える性質があるので、25g(かなり小さいおにぎり位)の糖質をカットすると体から75gの水分も減ることになり、合計で100gの体重が減る。特に糖質制限を始めてしばらくは凄い勢いで体重が減るが、これはほとんど水分が減っただけということだ。
階級制のアスリートが検量前に一時的に体重を落としたいなどは糖質制限は非常に有効だが、特別な効果のある減量方法ではない。減らしすぎるとフラフラするなどの副作用に注意してほしい。
糖質制限をやめると一気に太る?
前述したとおり、糖質は体内で水分を大量に保有するので糖質制限をやめると体(主に筋肉内)は水分をためこみはじめ、一気に体重が増える。
これを太ったと勘違いする。リバウンドしたと勘違いする事も多い。
体重計に振り回されないようにしよう。重要なのは器官の健康と見た目だ。
厳しい食事制限をしてしまう
太るのはカロリーの摂りすぎ。つまり食べすぎなので食事量を減らそうという作戦。合理的だ。
食事量を減らすと言ってもやり方はいくらでもある。朝食、昼食、おやつ、夕飯のどれかを抜く。晩酌をやめる。糖質制限といって主食のごはんやパン類麺類の摂取を減らす方法も人気だ。
基礎代謝が落ちて痩せにくくなる。
飢餓をイメージしてもらいたいが、極端に食事が少ないと体は痩せすぎないように脂肪を減らしにくくする。脂肪はライフラインなのだ。
それほど少ない食事でなくても痩せることは出来るので、基礎代謝が落ちすぎないようになるべく多く食べて脂肪を減らすように工夫する必要がある。
太っていても栄養失調になる!?
よくあるのはカロリーの減らしすぎて栄養失調になること。
痩せていて筋肉も少ない人はもちろん。近年はカロリー過多で太っているが必要な栄養が足りていない“新型栄養失調”と言われる状態の人が増えている。
特に偏った食事をしがちな方や、若い女性に多い。
太っているから食事のとりすぎ→食事を減らす→より体が栄養失調になって筋肉や内臓が弱っていく
という状態になることも多いので、多少は栄養学を理解しておかないと体がぼろぼろになるのだ。
栄養失調では体重は減ることも多いが、脂肪よりも筋肉や骨が痩せていることが多い。やつれて早死にするので注意。
正しい食事制限
おすすめはおやつやお酒といった嗜好品を減らすこと。ちょっとしたおやつや晩酌でカロリーはどんどん増えていく。特に嗜好品は味つけが濃くて甘くてカロリーが高いので、それを減らすorやめるだけで月1kgほど痩せる人も多い。
また、基礎代謝や活動代謝などを計算して一日に摂るカロリーを決める事で計画的に体重をコントロールする事も出来る。PFCバランスといった栄養バランスとタイミングも重要なポイントだ。簡単に言うとタンパク質を多めに摂って脂っこいものや甘すぎるものを控える事が必要になる。
とにかく走る
痩せるための運動としてランニングは候補に挙がりやすいのはどうしてだろう?
足腰の運動としてはオススメだが、ダイエットにはあまり向いていない。というのも、体重が重ければ脚への負担が重いし、ランニングの消費カロリーは大したことがないからだ。
好きなら止めないが、大股でテンポが早めの散歩の方がお尻や股関節の筋肉が良く動いて良い運動になるので私は推奨している。
また、つま先で押す動作でふくらはぎの筋肉が使われるので、ランニングをすると太くもなりやすく、それを避けたい場合はなおさら散歩の方が良いだろう。
有酸素運動はダイエットに必要ない
ランニングや散歩などの有酸素運動はダイエットで必須ではない。
苦もなく続けられるなら軽い運動ならプラスに働くので止めはしないが、普通に食事を整えるだけでも痩せるし、スクワットなどの筋トレの方が脂肪を燃やす効果が高い。
まとめ
食事が少なくて運動も少なかったらやつれていく。健康的な食事と運動で痩せるのがベスト。